ダライ・ラマ法王による説法の内容の要約です。
お話の最後の頃には大粒の雨が降り、一緒に出席した友人と
「きっとこれは浄化の涙雨だね。なくなられた御霊も喜んでいらっしゃるね」
と話しました。
法王が退出なさるときには、晴れ渡る青空でした。
『日本の皆様こんにちは、ひどい災害が起こったことに心を痛めております。
自然界の五大要素のバランスを崩したことによる地震そして津波、また人間が作り出した原発の惨事により、亡くなられた方々、また被災者の方々、心よりの挨拶を申し上げます。』
『私個人としての想いとしては、大災害にあった国の人々に少しでも何かできれば、困難な事が起こったときに、心配しないでいいよ、と友達から慰めてもらうことで少し心が軽くなるような、自分がそうであったならしてほしいことを出来たらと思います。般若心経を唱えさせていただき法要を行うことで、なくなられた故人やその周りの方々を慰め和らげることができればと、震災の後も10万回般若心経を唱えさせていただきました。
そして、今回たまたまロサンゼルスから始まる講演の途中に日本に乗り継ぎ滞在する予定であったところ、日程を1日延ばすことができ、日本の友人に気持ちを伝え、また四十九日の法要を行いたいと思っていた私の望みが実現しました。』
『仏教の修行の一つに、逆境にたった状況を利用して悟りに達する方法を使うことがあります。逆境は起こってしまったことは仕方がないことですので、それを悲しんでいる心配するだけでないということです。シャンティデーヴァが入菩薩行論で、[もし何かが起きて対策があるならばそれを行えばいいし、もしそれに対してするべき対策がないならばそれ以上悲しむ必要はないのである。]と説いています。日常生活に即した考え、これから落胆して生気をなくすのではなく、先を見据えて出来るだけ再建のために前を向いていってほしい』
このように語った後、若者は是非英語を勉強してほしいと前置きをして、英語で語り掛けました。
『私の英語はブロークン・イングリッシュだけれども、世界中の各地を訪問するときなど、直接会話することができ、とても役に立っています。』
『私達は、感情的、精神的、肉体的にも同じ一人の人間なのです。』
『日本は第二次世界大戦のあと、破壊され多くの方が殺され、広島・長崎に原爆が落とされるなど経験しましたが、Sefl-Confidence 自信を失うことなく、前を向いて立ち直ってきました。同じように自信を持って立ち直った国に、ドイツやポーランドがあります。ハイチの人々も大地震で多くの人々が亡くなられましたが前を向いてがんばっています。』
『そして、現実を直視し、現実に即した行動をとることが大切です。』
『チベットの人々は自分の国を失って以来、自分達の精神をますます高め、自分の内なる力を高めてこれたと思います。』
『現実のあり方を正しく理解し、対応することが必要です。人は計り知れない心の力を持っています。常に変化する未来に対しての心の準備も怠っらないことです。』
少し省略しながら書きましたが、以上です。
大きなメッセージは、自信を持って前を見据えて復興に望んでほしい。
また目の前に起こる現実を正しく捉え、正しく対処する心の準備を。
と呼びかけていました。
アメリカへの長旅の途中、お忙しい中時間を割いてくださりありがたいことですね。